瀬戸内の造船の町とともに生きた老尼僧の人生の物語


香川(飯山町)の農家から7歳で寺に里子に出され、18歳で単身四国から瀬戸内海を渡り、造船の町・宇野の歴史とともに歩みながら真言宗寺院・円明院を建立した老尼僧、故小川貞純(おじゅっさん)。
男性優位の地方真言仏教界でただ一人、彼女はどんな思いで女性として僧侶として生きたのか。玉野市を故郷に持ちニューヨークで活動するタハラレイコ・上杉幸三マックス共同監督が、夢を追って海を渡った自分達の歴史をおじゅっさんの人生に重ねながら、彼女の思いと女性にとっての幸せや独立の意味を9年の歳月をかけて探し続けた渾身の作。



<レヴュー>


「この長編実験映画を通して見えてくるのは、日本仏教の現実と女性のあり方についてのある非凡な洞察である。それにもまして、1つの伝記物語がムラカミ小説に値するほどの紆余曲折を経て、次第にサスペンスに満ちたミステリーへと変容していくのが面白い。
映画『円明院』は幅広いオーディエンス、日本文化、女性学、宗教学、文化学の専門家から、回顧録や伝記、実験映画の愛好家までを魅了するだろう。しかしこの作品について最も特筆すべきは、作家の感性を味わいたいという程度の期待で見始めた聴衆の度肝を抜く、その楽しい裏切りの仕組みであろう。」 
−デオドラ・ボイル ドキュメンタリー研究家・大学教授

「人生がここにない何かを探し求める旅だとしたら、映画もまた、不在の何かを見つける為の小旅行である。『円明院』を観れば、そのことが確信できる。しかも、この小旅行は、思わぬ展開を遂げるミステリーツアー!私は、映画と一緒に「おじゅっさん」の謎を追いながら、いつの間にか、私自身の人生の謎解きを始めていた。」
− 土屋豊 映画監督( 雨宮処凛主演『新しい神様』、『Peep "TV" Show』等)


「ある意味ポートレート、ある意味探偵小説、ある意味文化・宗教思索、そしてある意味瞑想的自己探求の旅...95才の女性住職、小川貞純の過ごした独自の時、人生、またそのレガシー(次世代への遺産)と、家族と共にアメリカに暮らす日本人女性映像作家タハラレイコの頑固一徹に放浪する好奇心、その二つが深く共鳴しながら繋がり、一本の糸が紡がれていくところに、映画『円明院』の面白さがある。(中略)ミステリー、不思議なニュアンス、慈愛、そして深い畏敬の念が、共同監督のマックス作曲による素晴しい音楽とともに綴られたこの映画『円明院』は、長年僕が見た中でも最も創造力に富んだ手法、語り口のドキュメンタリーの一つだ。」
−アラン・ベルリナー 映像作家(NY映画祭、サンダンス映画祭など出品・入賞多数)



< 共同制作/共同監督> タハラレイコ&上杉幸三マックス
<制作>エムレックス・プロダクションズ MRex Productions

<収録時間>124分

<DVD発行年>2008年

<個人価格> 5,985円(本体価格5,700円)

<NTSC, Region ALL>

<英語・日本語字幕>